AIの発展によって、かつては夢物語に過ぎなかったロボットの開発が実現味を帯びてきています。ロボットというと、テレビアニメに登場するような、人間と同じように気持ちで考えて成長していくことができるような機械を想像しがちですが、実は必ずしもそれだけではないのです。あらかじめ組み込まれたプログラムに基づいて、特定の作業をこなせるような機械も広い意味でロボットに含まれており、そういったロボットはすでに介護の世界で活躍し始めています。

具体的に介護ロボットが活躍しているシーンには様々なものがあります。例えば、寝たきりの高齢者を抱えてベッドから移動させたり、車椅子に搭載されて介護施設内を高齢者を乗せて自動で移動するような介護ロボットなどが介護の現場で活躍し始めています。こうすることで、慢性的に人手不足に陥りがちな介護士をサポートしています。これらの介護ロボットがこなすことができる仕事はまだまだ限定的ですが、テクノロジーがさらに進歩すれば、いずれは介護士の代わりになるようなロボットが登場する日もそう遠くはないでしょう。

なお、だからといって介護ロボットが万能というわけではありません。高齢者のメンタルケアなどは人間でなければ難しいとも言われていますので、いくら技術が進歩したからといってロボットが完全に介護士にとって変わることは容易ではないでしょう。そのため、介護ロボットを使って介護の負担を減らしつつ、より少人数の介護士でサービスを提供するというのが将来の介護の姿なのかもしれません。介護現場への介護ロボット導入などのAIの浸透状況が、介護士の働き方改革にも大きな影響を与えるでしょう。